原点回帰―Running possible―

晴海まどかの日々精進ブログ

「文章の見た目を良くする技術」連載第5回「漢字とひらがなの使い分け」その1

7月に始めた連載記事も早いもので第五回。

前回がカタカナ用語の統一のお話で、

今回は漢字とひらがなの話になります。

その漢字に読者はついてこれますか?/テクニカルライターが教える、文章の見た目を良くする技術

中身に全然関係ないですが、タイトルのキャッチフレーズ的な部分

「その漢字に読者はついてこれますか?」ですが、

いつもzonさんが考えてくださっています。毎度毎度うまいなー。

さて、中身の話ですが、今回は常用漢字についてご紹介です。

常用漢字って単語はみなさんご存知だと思いますし、

ちょうど2年前に一覧表が改訂されてニュースになったりもしてたんですが、

ライターとか編集のお仕事をしてないとこれを執筆時に気にすることって

ほとんどないと思うんですよね。

私も新人だった頃に、こういうものを意識するのかと結構驚きました。

今回は記事の中で常用漢字っていう指針もあるよ、と紹介しました。

指針として、一つの知識と知っておくのはいいと思います。

小説以外の文章を書かれるんだったら、普通に役立つと思います。

なんですが、小説にかぎって言えば、

常用漢字を意識しすぎると面白くない文章になるおそれがあります。

その点だけ注意です。とだけ一応補足。

常用漢字を綺麗に使うと、確かに文章の見た目は綺麗になるんですよ。

読みやすいし、難読漢字が混ざらないから読んでいて引っかかりにくい。

表記揺れも防止できるし、それこそマニュアルとかだと効果的です。

が、これを小説でやりすぎるのはちょっと注意。

自分の話ですが、7年以上もマニュアルを書いていた弊害

(というと言葉悪いですが)で、

文章が読みやす過ぎると小説に対して指摘されたことがあるんですね。

するする読めてしまう反面、印象に残らないとか、

文章に引っかかりがないとか。言われてみれば確かに。

(まぁ常用漢字の問題だけではないんですけど)

なので、小説を書くのであれば、

常用漢字という一つの指針を基礎知識として押さえた上で、

自分なりの文体とか雰囲気を出すための基準を考える

というのを強くオススメします。

常用漢字を意識すること自体はもちろん悪いことではないです。

難読漢字の判断基準にはなります。

まぁ何事もやりすぎには注意ってところですかね。

ちなみに、私は書いているジャンル的にも平易な文章を意識しているので、

ここ数年はわりと意識してひらがなやカタカナに開くようにしてます。

実はエクセルで自分辞書(用事用語一覧)を作ってます(基本凝り性)。

開いている例を挙げるとこんな感じ。

 「駄目」→「ダメ」

 「子供」→「子ども」

 「私達」→「私たち」

 「構える」→「かまえる」

 「何故」→「なぜ」

まぁ気分で変えてる部分もあるので、作品ごとに若干ブレはありますけど……。

記事中の例文1と2の中間くらいが、

私が現在使っている用語基準に近い感じですかね。

……とまぁ、気がつきゃこんなに長くなってしまいましたが。

漢字一字一字にこだわりを持つっていうのが、

小説書く上で苦労する点でもあり楽しい点でもあるんじゃないかと思います。

使用する用事用語をきっちり決められ、

文章の縛りが何かと多いマニュアルを長年書いていたのでほんとに思いますけど、

自分で考えた用事用語の基準で

自分の世界を描くってのはこの上なく楽しいことです。

ってのを日々噛みしめつつ、楽しい執筆ライフを送っていきたいです。



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(2013/09/01)
晴海まどか

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