いい文章について考える2 ~「言う」を撲滅せよ
気が向いたので、いい文章を考えるシリーズその2です。
※いつまで続くかは知りません。
※次回がいつかも知りません。
※個人的な見解を多分に含みます。
今回のテーマは『「言う」の撲滅』です。
小説で「言う」という表現を極力使わないというのは、
小説の書き方本とかを見ていれば必ずどこかに出てくる話なんですが、
勢いに乗って書いていると意外と使っちゃってて、
あとから見直してあちゃーなんてことがあります。
今日も去年の今頃書いていた作品を見直ししていたら、
ぼこぼこ出てきてちょっとorzってなりました。
「言う」を使わないってことは、適宜適切な表現に置換したり、
前回の記事にあるような省略をしたりってことなんですが、
意外と難しい気がします。というかいまだに難しいと思ってます。
省略についてはおいておいて、とりあえず「言う」を置換する方向で
撲滅する方法について考えてみます。
(シチュエーションはとりあえず無視)
~「怒り」編~
「ふざけるな!」
と彼は言った。
・彼は怒鳴った。
・彼は声を荒げた。
・彼は声を張り上げた。
・彼はそう一喝した。
・彼は抗議の声を上げた。
・彼の声が響いた。
・彼の声には怒気が含まれていた。
・怒りのあまり彼は声を上げた。
・その言葉には怒気が含まれていた。
・彼らしくない荒々しい物言いだった。
・そう怒鳴ると彼は腕を振り上げた。
ぱっと出てきたのはこれくらいか……。
~「喜び」編~
「やったー!」
彼女はそう言った。
・彼女は歓喜の声を上げた。
・彼女は満面の笑みを浮かべた。
・彼女は両の拳を振り上げて万歳した。
・喜びのあまり彼女は小躍りした。
・明るい彼女の声が響き渡る。
なんだか行動を示す表現ばかりになってしまった。
とまぁ、言い換えパターンを考えてみたけど
こういうのを列挙すると語彙力のなさみたいなのが浮き彫りに……。
精進せねば。
ほかにも、「言う」から置換できそうな表現を列挙してみる。
・話す。
・述べる。
・口にする。
・台詞を述べる/口にする。
・漏らす。
・言い放つ。
・言葉を吐き出す。
・言葉を発する。
・言葉を連ねる。
・言葉を返す。
・言い表す。
・物語る。
・声をかける。
・声を上げる。
・挨拶する/挨拶をする。
・礼を述べる。
・謝る。
・吐露する。
・打ち明ける。
・言い放つ。
・褒める/褒めちぎる。
・笑う。
・抗議する。
・不満を漏らす。
・罵詈雑言を浴びせる。
・弁解する。
・言い訳する。
・議論する。
・説明する。
・教える。
・囁く。
・呟く。
・返事をする。
・問う/問いかける。
・尋ねる。
・訊く。
まぁこれだけじゃないですけどぱっと思いついたものだけ。
ちなみに「訊く」は「聞く」でもOKですが、
私がこだわって「訊く」って漢字を使っているだけです。
とまぁ結論らしい結論なんてありませんが。
逆を考えると、上記はすべて「言う」にも置換できるってことなんですよね。
「言う」って便利な言葉だなぁ。
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