原点回帰―Running possible―

晴海まどかの日々精進ブログ

文体について考えた

先に書いておきます。長いです。

実は今年に入ってから、まったく別々の方面の方3人から、

「文章(文体)が硬い」的なアドバイスをいただきました。

言われて納得の部分もあるんですが、

正直、えぇぇっ、てなったのも事実。

これまで小説学校や、選評でも一切言われたことなかったんですよね。

とはいえ、1人とかじゃないので色々考えたわけです。

先に要因分析からすると、

・もともとお堅いマニュアルを書いていた ←これが一番の原因

・好んで読む作家の作品の文体が硬め(長野まゆみあさのあつこ

・敬愛する椎名林檎の歌詞も言い回しが小難しいし硬い

・通っていた小説学校が純文学寄り

などなど、思い当たる節はあるわけです。

でまぁ多分、文章が硬くて内容も硬いならいいんでしょうけど。

基本的に作風やキャラは軽めが多いです。

というわけで、地の分と会話文の軟度が乖離していると。

とはいえ性分として、

・間違った日本語は使いたくない

・小難しい言い回しがわりと好き

ということもあり。

ここ一ヶ月くらい、推敲とか執筆とかしながら色々考えていたわけです。

何はともあれ、硬いと言われたのでまずは崩してみたんですが、

まぁ気持ち悪い。不自然きわまりない。

やっぱり自分が好きなリズムや言い回しってあるんだと再認識。

でもってそれを捨てるような苦行をしたくて書いているわけじゃない。

やみくもに崩すんじゃなかったととりあえず反省。

ただし、現在一作バリバリのYAがあるので、

それは崩したらなんかハマった気がした。

軟度をうまく使い分けろってことか!とここで気づく(←遅い)

自分の作風の話をすると、軽めが多いとは言いつつ、

実は作品によって意識して書き方は変えてはいます。

ラノベ寄りの作品:

 会話の掛け合い・改行・感嘆語・オノマトペ・ノリ突っ込み多め

 あまりごちゃごちゃした言い回しは使わない

 →RGB、よもクラ、ハマ東、Runningとか

②純文学寄りの作品:

 会話少なめ、心内描写多め、言い回し小難し目

 →あなたは傘に入れない、世界は静寂を迎える

③その他:

 上記二つの中間くらい

 →新宿シェパード、短編集、Shooting

で、考えた。

①については、文体どうこうよりプロット作る方に労力注ぎたい。

話の展開や面白さ優先する(引き立たせる)なら、

むしろ文章は読みやすい方がいい気がしている。

奇をてらった文章で勝負することもできるんだろうけど性分的にムリだし。

というわけでこちらは文体については目下考えないことにした。

(そもそもあまり難しい表現は使わないようにしてた気もするし)

次、②③。

改善の余地があるのは多分これ。

まずは、作品の雰囲気や語り手のキャラ(年齢性別)をもっと理解して書くべき。

入り込みが足りないのかもしれないなーと思ったり。

というわけで、ここを克服すべく、現在推敲中の連作短編で練習中。

全5章でそれぞれ語り手が変わるので、選ぶ単語や口調、言い回しなどを、

以前よりも意識してキャラの知識レベルや性格で変えるようにしました。

ついでに同じ意味の地の文(イメージ)を並べてみる。

 1章:融通がきかない真面目女子、軟度3

 2章:ひねくれ系ごちゃごちゃ考える系女子、軟度1

 3章:お気楽ギャル系女子、軟度5

 4章:控えめ真面目大人しめ男子、軟度2

 5章:俺様天下系男子、軟度4

って、書きだしてみて5章の軟度がまだ足りない気がしてきた。

ちなみに軟度5の3章が崩すの一番楽だったんですが、

難しい単語使わないorカタカナ・基本「い」「ら」抜き言葉・体言止め多め、

とかそんな感じになりました。

キャラが極限まで軽くなればそこまで意識しないでも

自然と崩せることに気がつく。

改めて考えると、普段の自分の文体は上記でいうと軟度1~2くらいかも。

でもそういう硬めのキャラ作りをしているといえばしているのでうーん。

まぁがんばる。

あとは、前述のとおりジャンルを意識するってことですかね。

選ぶ単語も難しめでホラーかと思った、といった感想をもらったんですが、

これは確かに確かに。意識してないと難しめの単語使ってしまう。

逆に言うと、ホラーはこの文体が向いてるんじゃないかと思ったり。

そうなると問題なのは、ゆるふわ系とかYAとか、ホラー以外の場合ですね。

単語の選択などは意識していきたいところ。

とか、こんなに長い記事をだらだら書いてる時点で、

自分はごちゃごちゃ考えるお堅い系なんですよね。

根っこの部分が柔らかくない。

柔軟性は大事だと思ってるけど柔軟性って何とかそういうのをまた

ごちゃごちゃ考えるので末期だしもうそれでいいかなとか

段々開き直ってきてしまっていて

その点についてはもう一旦考えるの止めた方がいいのではと思った。

何はともあれ、文体については自分なりの目下の方向性は見えたのですっきり。

でもってここにまとめてまたすっきり。

こういう風にまとめて吐き出して整理するのが性分に合ってます。

こんな感じでしばらくやってみたいと思います。


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