井上夢人「もつれっぱなし」感想
今日読んだ本をご紹介。
井上夢人さんの「もつれっぱなし」です。
昨日ブログに「対話体小説」の話をチラと書きましたが、
対話体小説について夜中に調べてて出てきたのがこの本で、
サンプル読んでみたら面白かったので買ってしまいました。
読みたいときにぽちっとできてしまう電子書籍便利ですね。
(ちなみにKindleでサンプル読んだくせにクーポンがあったkoboで買った)
この本、全6編の短編小説が収録されてるんですが、
全編男女二人の会話のみで書かれてます。地の文ゼロです。
大抵どちらかが「宇宙人を見つけた」「オオカミ男になった」などなど、
おかしなことを言いだして、もう片方がそれを論破しようとするお話です。
(作品のタイトルはすべて「~の証明」)
話の展開的にはどれも一緒っちゃ一緒なんですが、
ホラーだったりミステリーだったりで読後感はだいぶ違います。
「宇宙人の証明」は個人的に好きなラブコメ的展開で、
「幽霊の証明」はかなりゾッとする終わりで、
「嘘の証明」はしてやられた感の強い終わりでした。
特に最終話、「嘘の証明」は、対話体小説ならではですね。
風景描写が挟み込まれてないからこそできる展開でしてやられた感があります。
会話劇っていうとどうしてもラノベの印象が強くて、
お遊び的に挟み込まれてるイメージがあってあんまり多用してなかったんですが。
ここまで計算し尽くして使うのであればまったくもってありだなーと思いました。
勉強になったし面白かったです。なるほどなるほどと思いつつ読みました。
ちなみに会話文だけでできてるのですぐ読めます。
美容院で全部読めちゃいました。オススメの一冊です。