原点回帰―Running possible―

晴海まどかの日々精進ブログ

向山貴彦「ほたるの群れ」シリーズ 感想

昨日ブログにちらっと書いた、時間密度の濃かった小説です。

うちのブログのアクセス数一番の記事「Big Fat Catシリーズを読んでみた」の

Big Fat Catシリーズを書かれている、

向山貴彦さんの日本語の小説(シリーズ)です。

   

ちょっと家庭でも色々トラブルがあって心労耐えない中学三年生の主人公が、

なんだかよくわからない組織のトラブルに巻き込まれていくお話です。

なんか文章にすると長くなりそうなので、

とりあえずの感想列挙してみる。

・とにもかくにも主要キャラ四人がいいです。

 個人的には単純ゴリラの阿坂が好きです。

 くっつきそうとかそういう次元の話をしてる余裕がない

 永児と小松さんもいつもハラハラします。

 わりと女子ウケするんじゃないかなぁ。

・四巻まで読んでも謎が半分もわかってない感じ。

 しかも「始まったばかり」みたいなセリフがあった。

 各巻で完結するというよりは、1~4巻まで一つの物語って感じです。

 4巻までが1学期編らしいです。

・普通の中学校生活の裏で凄惨な出来事が次々起こっていって、

 日常とのギャップにふいをつかれる。

・むちゃくちゃ血が流れまくります。(特に4巻)

・っていうか主人公たちケガしたり毒盛られたりしまくりです。

・文章がすごく読みやすくて好きです。

 こういうクセがなくてするっと読める文章好き。

で、昨日もちらと書いたんですが、

4巻まで読んでも一週間ないくらいの話なんですよね。

(事件はむちゃくちゃ起こりまくりますが)

群像劇みたいな感じで色んな人の色んな視点から書かれてて、

同じ時間軸を別のキャラの視点で書き直してるせいもあって、

時間経過がすごくゆっくりです。

でもそれ以上に、ほとんどの時間を拾い上げてるのが面白いなと。

授業中と睡眠時間以外、多分ほとんど書いていて

あまり時間のショートカットしてないんですね。

なので、主人公とヒロインの小松さん辺りにいたっては、

キャラの目線で一日を追体験してるような感じにすらなります。

でも特別心理描写が多いというわけではないです。

こういう小説なくはないんですが、時間の緻密さというか、

何気ない日常も非日常の事件も全部書き切られてて、

なるほどなぁと思いました。

ちなみにこの作品、4巻までは幻冬舎から出てるんですが、

5巻はスタジオエトセトラのサイトでPDFを無償配布してます。

スタジオエトセトラってそもそもなんだろうと思ってサイトみたら、

〝フリーのクリエイター集団〟だそうです。

Big Fat Cat」もここのスタジオの作品になるのですね。なるほど。

表紙や巻末のおまけイラストなんかも作品世界にすごく忠実で、

まるっとスタジオで作ってる感じなんですかね。

とりあえずPDFで5巻をちまちま読み進めようと思ってるのですが、

乞うご期待となっている6巻はいつ出るのかなぁ。

1巻はKindle版なら100円なんでぜひどうぞ。

アニメPVも見つけた。あらすじはこちらで。