原点回帰―Running possible―

晴海まどかの日々精進ブログ

映画「劇場版 ムーミン 南の海で楽しいバカンス」感想

昨日観てきた、映画「劇場版 ムーミン 南の海で楽しいバカンス」感想です。

(※注:以降ネタバレあり)

・最初にひと言でまとめるなら、

 ムーミンにとっては「まったくもって楽しくないバカンス」のお話です。

・この映画はムーミン童話ではなく、コミックの方をベースにしています。

・なので、日本で放送していた「楽しいムーミン一家」のイメージで観ると

 キャラが大崩壊しているので、別ものと思って楽しむのがオススメ。

 癒やし系ほんわりアニメのムーミンとは別ものです。

・冒頭は何かのお祭りやってましたが、スニフの出番はそこだけだった。

・なぜか海岸近くに建っているムーミン屋敷。水浴び小屋超近い。

・そして海賊船、ミムラとミーはなぜか捕虜として登場。

・しかもムーミンたちとは初対面設定。

・海賊がらみでリビエラに行くことになるのかと思ったら関係なかった。

・雑誌の影響でリビエラに憧れるフローレンの発言でリビエラを目指す一家。

 っていうか船の荷物少なっ!

 この辺のざっくり感はコミックベース故なんだろうか。

 「楽しいムーミン一家」だと旅のたびにどっさり荷物詰め込むイメージ。

・嵐に遭ったりなんやかんやしつつリビエラに到着。

・無一文のくせに高級ホテルに宿泊するムーミン一家。

 好意で泊めてくれるんだなぁと思ってるのがわかる。

・ここから先はコメディの連続です。

 部屋が広すぎて落ち着かないからベッドの上で生活することに決めたり、

 広いお風呂をプールだと勘違いしたり。

・ギャンブルで稼いだお金を軍資金にセレブの仲間に入るフローレンと、

 セレブなあれやこれやになじめないムーミンの対比。

 女の方が適応能力高いよね、と思った。

・ビキニを着たフローレンにムーミンがひと言

 「そんな格好ダメだよ!何も着てないみたい

 いやお前裸だろ。

・一方で、侯爵とすっかり仲良くなるムーミンパパ。

 パパが侯爵にこんな冒険してきましたよ、みたいな話をずっとしてるんですが、

 それが何気に「楽しいムーミン一家」でも放送している話なんですよね。

 動物園にカバと間違えられて放り込まれる話とか、

 灯台守のいなくなった灯台で孤軍奮闘した話とか。この辺は知ってるとむふふとなる。

・セレブな生活にうんざりしてママとムーミンはボートで暮らすことに。

・フローレンを巡る恋敵との決闘とか、なんやかんや色々あって、

 ムーミン一家の奇行が目に余るようになり、ホテルを追い出されることに。

・ここでようやく自分たちが泊まっていたのがホテルであり、

 自分たちが無一文であることの深刻さに気づくムーミン一家。

 個人的には、最初に出てきた海賊船の金貨でうまいことやるのかなと思ってたら、

 フローレンがギャンブルで儲けた金で万事解決した。

 (子どもの教育上これはいいのかと思った)

・というわけでボートでムーミン谷へ帰還。

 嵐に遭ったりボートの上が森になったりと最後も色々あった。

・ミーは終始出番があったけどにぎやかしだった。

というわけで感想まとめると、これはコメディ映画ですね。

でもって子ども向けじゃない。劇場に子ども結構いたけど話わかったのかな。

全体に、とにかくセレブの過ごし方をわかっていないムーミン一家が

それぞれのやり方で奮闘していくお話っていう感じです。

フローレンの適応能力が一番凄まじいんだけど、そのミーハーっぷりは

「バカだなぁこの女」と言いたくなるような滑稽な描かれ方してます。

でもってどこに行っても大物なムーミンパパもそれなりに満喫してるんですが、

最後は大量のおまわりさんに追いかけられて大変な目に。

セレブたちの生活になじめず、早々に自分たちには合わないと離脱するのは

ママとムーミンなんですが、一見するとこちらサイドがまともに見えつつも、

やってることは無知故に常識ハズレだったりも。

そもそも貨幣価値というものに不信感すら抱いているムーミン一家が

セレブたちになじめるわけがない。

こんな感じで一見すると色々面白いしコメディはあるんですが、

我が身を振り返ると身につまされる部分もあったりもします。

自分もセレブとはほど遠い一般庶民なわけですよ。

突然ラグジュアリーなセレブ空間に放り込まれたら、

ムーミン一家が笑えないような事態に陥るんじゃなかろうかなんて思いました。

そんなわけで、田舎者の価値観とセレブの価値観のぶつかり合いという

側面もあるお話じゃないかと思います。どっちの価値観もそれなりに正しいしおかしな部分もあったり。

というわけで、大人のみなさまにオススメの映画かと思われます。

ムーミンはグッズは持ってるけどお話知らない、という方とか、

ぜひ観てみたらいいと思います。こんなにシュールなのかよと

突っ込めること請け合いです。