原点回帰―Running possible―

晴海まどかの日々精進ブログ

新刊『ギソウクラブ』:校正観点で自分の原稿を読む話

今日も引き続き推敲&校正っぽい話してみます。

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ギソウクラブ』 晴海まどか著

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昨日は原稿を寝かせる話でしたが、原稿を寝かせるというのは、
できるだけ作品を客観視するための最も簡単な方法です。
寝かせてから久々に自分の作品を読むと、こんなこと書いてたのかと新鮮に思えます。
この「新鮮」をくり返し読んでるときでも保てるようにするために
実践してる方法を紹介してみようと思います。
どっちかというと校正的観点自分の原稿をチェックしたいときに有効な方法です。

①章をバラバラに読む 

意外と有用です。偶数章だけとか、ランダムにとか、なんでもいいんですが、
シーンの繋がりが切れるので、その章単体でどうかチェックしやすくなります。

②後ろから読む

校正にはこれが一番だと個人的に思ってます。
文脈が頭に入らなくなるので単純に文字だけ終えるようになります。
ちなみに人様の原稿を校正するときだったら、

機械的にチェックできる部分を潰す →頭から素読
→後ろから逐次読み →頭から再度逐次読み

という手順でやることが多いです。これで大体は潰せます。

③ページ設定やファイル形式を変えて読む

Wordだったら紙に印刷するときの行数×文字数の設定を変えてみたり、
ePubに変換してタブレットで読んでみたりします。
ePubにするとまったく違って読めるので面白いです。
なんでこんなところに気づかなかったんだろうと思ったりもします。
そしてハイライト&コメントもできるので、出先でも簡単に推敲できて意外と便利。
あとは横書きで読んでみるというのも意外と別ものに見えていいかも。

 

普通に頭から読む+①or②+③という感じでセットにして、
これを出力紙に印刷するたびにくり返します。余裕があれば3~4セットくらい。
私は書き上げたらPC画面上で1~2周読みながらガーッと加筆修正して印刷、
1セット目を終えたら原稿を寝かせて、
熱が冷めてからあとは集中的に残りのセットをこなすのが常です。
それでも自分の原稿だと見落としあったりもするんですが、
まぁでも校正的な意味では大体は潰せます。

なお、上記のセットの途中で、当然ながら話の流れとか内容的な部分で
加筆修正をガシガシしたくなるタイミングというのがあるので、
そういう場合は修正箇所を中心に短いセットを挟みます。
修正箇所の前後というのは余字脱字を作り込みやすい部分なのですが、
これを見落とさないためのノウハウもあります。まぁそれは別の機会に。

ちなみに『ギソウクラブ』の場合は原稿をチェックできる期間がめちゃくちゃ
長かったし長期にわたってたので、トータルすると10セットくらいは
やってるんじゃないかと思います。

よく書き終わってから原稿を何周読むか、なんて話がありますが、
上記のセットでやるのを決めると自ずと10周以上は読めます。
これくらい読むとあるラインから自分では原稿を直せなくなります。
そしたらようやく外にリリースするタイミングか、
もしくはもう一回寝かせるタイミングです。誰かに読んでもらうのでも。

というわけで原稿を読むお話でした。

ギソウクラブ

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