原点回帰―Running possible―

晴海まどかの日々精進ブログ

冷却期間はどれくらい必要か

ちょっと前に、原稿はどれくらい寝かせたらいいのか、なんて話を見かけたので、
自論でもまとめてみようかなぁと思いました。

いわゆる冷却期間というヤツです。

言葉の定義を確認しておくと、原稿を寝かせる、
すなわち書き上がってから一度原稿を放置する期間のことを指してます。

 

勢いよく書き上げてばーっと推敲してよし完璧だ公開だ!というようなのを
よく見かけますが、個人的にはまったくオススメしません。
そんな状態で「完璧だ」なんて思ったものが完璧なわけはまずないです。

というわけで、そんなテンションを落ち着かせ、
冷静になって原稿を推敲するために必要なのが冷却期間。

冷却期間の主たる目的は、一旦書き上げた文章を忘れて、
第三者(読者)目線で原稿を見直せるようになることです。
自分が書いた文章だから、当然書き上げた直後は内容を覚えているものですし、
そうすると誤字脱字といった小さな粗から、物語の矛盾点といった大きな粗まで、
あっても気づかないものです。

じゃあ、この冷却期間、どれくらい必要なのかという話。

個人差はあると思うのであくまで私個人の場合でいうと、
最低でも執筆にかかった日数、としています。
書くのに1週間かかったなら1週間、2週間かかったなら2週間ってわけです。
(プロットがあれば400枚くらいなら2週間あれば書ける人なので……)

自論ですが、なんでこう決めてるかっていうと、
執筆期間=その作品の文章に浸かってる期間なので、
一回文章を忘れるのにも同じくらいかかるんじゃないかというわけです。

冷却期間は、その作品のことは忘れて、まったく別の作品を書き始めてみたり、
読書をしたりするのがオススメです。
執筆期間と同期間だけ、頭の中を別の文章で満たすに限ります。
そうすると、少なくとも以前よりは粗が見えてくるんじゃないでしょうか。

あと、個人的には冷却期間は置けるなら2回くらい置くのがベストだと思ってます。
スケジュールに余裕があるときに限りますが、大体こんな感じ。

執筆→書き上げ→勢いよく2~3周読み直して推敲①
→冷却期間①(執筆期間と同等期間以上)
→推敲②。直せる部分が少なくなるまで読んで直す
→冷却期間②(短くてもいいし長くても)
→推敲③。気が済むまで読んで仕上げ

推敲もただ読むんじゃなくて環境とか読み方かえたりするし、
修正ミスを防ぐための小技を駆使したりもしますが、
とりあえずこれくらい冷却期間置いて推敲すればアホみたいな誤字脱字は激減します。
(すべてなくなります、と断言できないところはツライですが)

個人出版はいつでもデータ直せるのがいいところ、なんて話もありますが、
修正前のバージョンを買ってしまった読者にしてみれば何も嬉しくないので、
世に出す前にこれくらいやったらいいんじゃないかなーと常々思います。

そんなに時間かけられないとか何回も読めないとかって方もいそうですが、
自分が書いた作品に手間暇かけてあげられるのって、自分だけじゃないですか。
同じ誰かに読んでもらうなら、手塩にかけたものを読んでほしいけどなぁ。

そういえば、群雛は今月からレギュレーション変わりまして、
あまりに推敲不足な作品は再入稿依頼されるというルールに変わりました。
(要旨は群雛ポータルで見てください)
個人の能力には限界があるし私もアドバイスがほしいことはままありますが、
とはいえ誰かが面倒見てくれるでもない個人出版やるんだったら、
最低限の校正くらいは自分でできるようになれるといいよねーと思います。

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上記の2回以上冷却期間を置く戦法で書いている下記作品、発売中です。

一小路真実は興味がない ?白雪姫のための毒リンゴ(ジュース)事件? (群雛文庫)

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www.gunsu.jp

ちなみに「ギソウクラブ」は4~5回冷却。

ギソウクラブ

ギソウクラブ