一人称口語体で書きます ~こんな風に文体決めてるという話
今日は最近何かと考えることが多い、文体の話。
私は基本的に一人称で書くのですが、文体を崩しているうちに、
気がついたらここ数年は地の文がすっかり口語体になっていました。
先日のブログでもその話を書いたのですが、少し具体的に書いてみようという次第。
「ギソウクラブ」や今書いてる長編、
ならびに公開したばかりの「クロスオーバー×モラトリアム」ですが、
1章ごとに視点人物が変わる=主人公が変わる=文体を変える、
というのを意識的にやっております。
「クロスオーバー×モラトリアム」を例に紹介してみると、語り手はこの4人。
①湊いろは(第1話)……三十路手前で自分探し中のフリーター
②穴川泉美(第2話)……繰り返しの日々にすっきりしない猫好きOL
③大久保悟(第3話)……人との距離感を掴めない、潔癖症の大学生
④小倉真澄(第4話)……お気楽に生きたいコンビニアルバイター
以下それぞれ、こんな感じで文体を決めています(超ざっくりですが)。
①文体としては中間。自己評価が高くないこともありひねた物言いも。
②女子力高めでいかにも女子っぽい口調。「が、」を多様。語彙レベルはやや低め。
③硬め。あまりい抜きしない。第三者は基本的にフルネーム呼び。語彙レベル高め。
④超柔らかめ。無駄な相づち・オノマトペ多め。語彙レベル低め。テンション高め。
これ、慣れてくると書いてて結構楽しいのです。
もちろん、視点移動がない主人公1人の作品でも同じ考え方でやってますが、
1作で複数視点ある場合はより顕著にやってます。
ちなみに、今推敲してる別の長編は、全4話で語り手が全部女子なので、
差を出すのがちょっと大変だったりします。
そちらも数ヶ月以内には外に出せると思いますのでまたそのうち。
「クロスオーバー×モラトリアム」、よかったら各章の文体も比べてみてください!