原点回帰―Running possible―

晴海まどかの日々精進ブログ

角野栄子「魔女の宅急便」全6巻を読んだ

昨年12月から読んでいた「魔女の宅急便」、今日6巻まで読み終わりましたー。

ちまちま読んでましたが、非常に心地よく読めてよかったです。

(※以降、若干のネタバレあり)

 

 

上記に貼ったリンクは角川版ですが、実は2~6巻は福音館書店文庫で読んでました。
1巻は角川文庫で読んだんですが、福音館書店の文庫の方だと、
ほぼ毎ページに挿絵があることに気づいたのですね。
福音館版は電書版がないのであれなんですけども。挿絵もとってもよかったです。

文庫・魔女の宅急便6冊セット (福音館文庫)

文庫・魔女の宅急便6冊セット (福音館文庫)

 

肝心の中身の方ですが、ジブリ映画と比べると、ハラハラするような事件は
あんまり起きません。わりと穏やかに、キキと人々の交流やエピソード、
そして成長を描いていっています。
1巻では13歳のキキが、巻を追うごとに1歳ずつ歳を取っていって、
6巻は13年の時が流れて、キキの子どもに焦点が当てられていく感じです。
キャラクターの成長が追える作品というのはよいですね。
こういう風に変わってくんだとかこちらも発見があるというか。

個人的に印象に残ってるのは、1・3・5巻でしょうか。

もともと映画を知ってたこの作品、なんで読もうかと思ったのかというと、
最終巻ではキキととんぼさんが結婚して子どもまで出てくる、
という事前情報があったからなのですね。
映画のキキのイメージが強かったので、それは面白いなと。

ちなみにその目的の6巻、最終巻にふさわしく面白かったのですが、
キキの物語ではなく、子どもたちの成長物語になっていたという感想です。
5巻までのキキの成長物語に対する後日談という印象を受けました。
双子の子どもたちそれぞれが抱えた悩みを自分で解決したり消化して、
成長していく過程が丁寧に描かれています。
なので、二人の子どもたちにやきもきするシーンが主で、
キキ自身が活躍するシーンはあんまりなかった印象です。
個人的には母親になったキキの物語も読みたいなーと思ったのですが、
児童書という性格を考えるとそれは違う気もしますね。

あと角野栄子さんの作品は実は初めて読んだのですが、
文章がとってもきれいでその点が個人的にはすごくよかったです。
児童書なのでオノマトペも多いし難しい表現はないのですが、
とっても心地よい文章でした。
本当にストレスなくすらすら読めて入ってくる感じで脳みそ癒やされました。
物語もとっても優しいのですが、文章自体もとっても優しい。

そんなわけで、最後まで読めてよかったです。
現代社会に疲れてるときとかに読むのもオススメです。
こちらも積んでるのでいずれ。