原点回帰―Running possible―

晴海まどかの日々精進ブログ

初野晴「空想オルガン」感想

紹介するのは、1月のKindle角川セールで見つけて、

なんとなくシリーズ4巻まで買った作品の3巻です。

ハルチカシリーズと呼ばれてます。

空想オルガン (角川文庫)
空想オルガン (角川文庫)

ちなみに1・2巻はこちら。

退出ゲーム (角川文庫)
退出ゲーム (角川文庫)

初恋ソムリエ (角川文庫)
初恋ソムリエ (角川文庫)

(※以降ネタバレあり)

端的にジャンルを表現するなら学園ミステリーなんですが、

ベースが吹奏楽です。

1・2巻では主人公のチカちゃんとハルタ吹奏楽部員集めをしつつ、

色んな謎などに巻き込まれていくのですが、

この3巻は2人も二年生になり、最低限の部員も集まり、

遂に夏の吹奏楽コンクールに出場するところから始まります。

1・2巻も面白くて随所に色んな仕掛けがあってすごいなぁと思ってたんですが、

この3巻は完全にやられた感じ。

今年入ってから読んだ本の中でもかなりの上位。

実は自分も中学時代に吹奏楽部に所属していたのですが、

ホールやリハーサル室の雰囲気、楽器搬入、

B部門や金賞銀賞といった単語一つ一つまでが、

とにかくリアルで懐かしさにまず泣きそうになりました。

チカちゃんたちの学校はB部門で地区大会、県大会を勝ち抜き

中部大会まで行ったものの銅賞で夏を終えます。

(ちなみに吹奏楽コンクールは出場校すべてに金銀銅のどれかが与えられる)

銅賞を取ったのち、仲間に隠れて泣くチカちゃんに、

こっちまで悔しくて一緒に泣きそうになりました。

吹奏楽はほんと運動部ですね。

ちなみにミステリー要素も健在で、

構成的には連作短編になっています。

そっちもかわらず面白いです。500円おじいちゃんとかすごい。

でもって、文体や扱うテーマはそんなに軽くないのですが、

キャラクターたちがとにかくコミカルで面白いです。

いわゆるラノベのキャラなんかよりはずっと現実味があるんだけど、

こういう面白い子いそう、みたいなのがたくさん出てくる感じ。

キャラたちの行動や台詞もコミカルですごく面白い。

個人的にはオーボエの成島さんと、やっぱりハルタが好きですね。

ちなみに3巻で初めて出てきたハルタ姉はものすごく強力でした。

そんなわけで、吹奏楽もう一回やりたいなぁと思えるような作品でした。

吹奏楽をやっている方、吹奏楽で熱い学生時代を送った方に、

ぜひお奨めしたい1冊です。

4巻も買ってあるのでそのうち読みます。

千年ジュリエット (角川文庫)
千年ジュリエット (角川文庫)