わーくしょっぷ vol.4「卒業」 収録作紹介というか感想
無料配布中でございます。
卒業 |
私の方もほかのみなさまの作品の感想をば。
●霧中スプリング/笹原祥太郎
わーくしょっぷシリーズは実は私が収録順を毎回決めています。
というわけで、今回意図してこの作品をトップに持ってきました。
男二人で温泉地に卒業旅行に来ると言う話ですが、
とにかく文体で読ませます。何この比喩おもしろっ!というのが第一感想。
読んでると段々自分もこの旅行終わらせたいわ-、とけだるい気分になってきます。
楢野さんもプッシュしていましたが、今回のイチオシです。
●ゴーン・アウェイ/楢野葉
楢野さんには珍しい学園もの(風)。
“うさぎの穴に落ちている”という表現があるんですが、
よくわからないんだけどなんとなくわかるのが面白い。
学生時代に好きなバンドがあって、なんとなく感情が不安定になるような
時期がよく表現されてる気がします。
あと楢野さんお得意のSFの雰囲気も楽しめます。
●To cross a line/これこ
カラスの名前の付け方が「白線」「カーブミラー」とか秀逸で、
カラスの社会だったらこういうのありそうだなと思わせるシーンが色々ありました。
実はこれこさんの作品、個人的には擬人化ものが多い印象だったんですが、
そういえばわーくしょっぷシリーズでは初めてでしたね。
小説学校時代に、ナメクジを主人公にした作品を書かれてたのを思い出しました。
これこさんの擬人化ものは一読の価値ありです。
●酒をすてる/山田宗太朗
今まではビール小説担当だった山田さんですが、
今回は徹底的に酒をすてまくる作品です。酒の蘊蓄についてはさすが。
そして最初に読んだときの感想が、「これどこまでフィクションなんだろう」w
というのもあって、色々身につまされる部分もあったり。
山田さんの作品はどんどん読みやすくなっていってるように思います。
というわけで、自作以外の収録作の簡単な紹介でした。
互いの作品の感想会は打ち上げでやるのでそちらも楽しみですな。