三浦しをん「舟を編む」感想
ちょっとブームには遅れましたが、
何気に紙で買ってあったんですが、
ずっと積ん読しててようやく。
一章ずつ語り手の視点が変わるので
細切れで読みやすかったこともあり、章ごとに何日か掛けて読破。
とはいえ読んでたのは四日くらいですかね。
よくよく考えてみると三浦しをんさんの作品読むのは初めてでした。
辞書の話というわけで硬いのかなと思いきや、
思いのほか読みやすかったです。
辞書ってどうやって作ってるのかなーって
前々から思ってはいたのですが、
ものすごく時間と労力がかかる作業で、
しかも紙とかにもこだわりあって、
単純に知らない世界が知れたおもしろさがありました。
紙の本を作るためにかかる工程や労力みたいなものも、
最近電子寄りだったこともあり、あんまり意識してなかったなと。
この本は紙で読んで良かったなぁと思いました。
段組とかフォントとかインクの話も出てくるんですが、
こういう部署の人は電子辞書はどう思ってるのかなぁ。
あとは人間模様とかも単純にすごく面白くて、
チームで仕事をやることとかも考えさせられたりも。
登場人物が個性的なのに実際にいそうなのがニクイ。
言葉にこだわりがある登場人物が多いので、
言葉について考えているモノローグが結構あって、
言葉とはみたいなことを改めて考えさせられたりもしました。
最後の方はなかなか泣かせる感じで、
基本的に涙腺緩いんで電車の中でぐずぐずしかかりました。
というわけで読後の満足度が高い一冊でした。
そういえば、最近エッセイとか神話とか読んでて、
小説読んだのちょっと久々だったかも。気軽に読めてよかったです。