宮木あや子「校閲ガール」感想
最近読んだ本で面白かったので紹介。
今月出たばかりの新刊です。
私としては珍しく、完全なるタイトル買いしました。
まぁなんでタイトル買いしたかっていうと、
校閲とか校正とかに興味があるからなのですが。
というわけで、読書計画を変更して早速読了。
ストーリーは、ファッション雑誌の編集になりたかったのに、
文芸の校閲部署に配属された女の子のお話です。
話もテンポ良くてキャラも面白くて会話の掛け合いも面白かったです。
個人的には貝塚くん好き。主人公との罵倒しあいがうける。
「このゆとりが!」とか。その上フラグは折れてラブコメ的側面には意外性もw
あとはやっぱり校閲あるあるみたいな小ネタとか出てくると面白いですね。
ちょいちょい作中に小説が出てきて、それを主人公が
「こことここに赤を入れた」みたいな説明があって、
自分も主人公と一緒に校閲をして、なるほどここもチェックするのか、
とかそういう気づきにもなるという。
最後の方ですごくよかった一節があったので引用。
見た目が整っていることは悦子にとって正義で、見た目を整えようと努力することも悦子にとっては正義だ。分野を変えて、同じ正義が校閲に存在していたことに気づいた。文芸の校閲がやりたくて出版社に入った米岡は、日本語をより正しく美しく整えてゆく作業にエクスタシーを感じるという。その感覚が聞いた当初は判らなかったが、今日初めて判った。
正義!そうだよ正義だよ!( ゚д゚ )クワッ!!
というわけで最後に無駄にテンションが上がってしまった。
ちなみに、作者の方は「R-18文学賞」出身だそうで。
へー。
個人的に非常に楽しめた作品でした。