森絵都「クラスメイツ〈前期/後期〉」感想
最近読んだ、森絵都さんのこちらの作品の感想。
個人的には電書で読みたかったんだけどなかったので紙で購入。
お話はと言うと、24人のクラスメイト一人ずつの短編で、
上下間通してとあるクラスの1年間を描いていきます。
大きな事件とか何もなくて、本当にクラスの1年間を描いてる感じです。
〈前期〉ではわりと作品自体がバラバラした印象で、
どこにでもいそうな中学生の日常とか心の揺れとか
そういうのを描いたオムニバスなのかなーと思ってたんですが。
〈後期〉に入ったらところがどっこいで、
〈前期〉で散りばめられていた伏線が次々に回収されて、
最終的には一つの完成したお話になっててとにかく構成にびっくりしました。
でも一人ずつのお話なのですよ。そこにただただ感嘆。
でもって、24人みんなどこにでもいそうなのにすごくキャラが立ってて、
24人もいるのに最後にはなんとなく誰が誰だかわかってるんですよね。
全員がすごく仲良しってわけじゃないけど、クラスが段々まとまってくる
過程がじわじわしみてくる感じです。
これは〈前期〉〈後期〉、一気に読むのがオススメ。
ちなみにお気に入りの話は、
〈前期〉のハセカン・吉田くんの話と、
〈後期〉の田町・近藤・楓雅の話です。
中学生ならではの煩悩の話と、友情ものに弱い自分。
それにしても、森絵都さんの作品を初めて読んだのって、
実は高校の図書館でなんですよね。
「DIVE」とか夢中で読んだ記憶があります。
多分自分が初めて触れたYA作品の一つじゃないかと思うんですよね。
森絵都さんの出ている本はほとんど読破してるはず。
あれから15年くらい経ってるわけですが、
かわらず作品を世に送り続けててほんとすごいなぁ。