石崎洋司「黒魔女さんの小説教室」感想
ちょっと前に読み終わった本です。
石崎洋司先生の、黒魔女さんシリーズのキャラと一緒に、
小説のイロハを学ぼう!的な一冊になります。
ざっくり紹介すると、トップシーンの書き方、キャラの立て方、
文章について、アイディアの話などなどが、
キャラの会話と小学生による応募作によって説明されています。
例文に使われてる小学生の応募作が確かにレベル高いというかよくできてて、
中学生の頃の自分こんなにかけなかったよなーとか思いました。
小中学生向けというだけあって、非常にわかりやすくかみくだいて説明してあります。
具体例が豊富なので非常に理解しやすい。
先日の藤井太洋さんのセミナーで訊いた話ともかなりかぶってる部分がありました。
最初に5W1Hの梗概を考えるとか。電書版で読んだのでハイライトしまくりました。
しごく当たり前のことがたくさん書いてあるんですが、
ここに書いてあること全部を常に意識して自分は書けてるかというと微妙で、
多分意識してちゃんと書けたらいいもの書けるんだろうなぁと思いました。
最後の石崎先生の言葉が印象的だったのでちょっと引用します。
「読者のことは考えない」という作家は、かなり多い。「読者の期待に自分をあわせるのはいやだ。自分の書きたいものを書くために作家になったのだ。」という声は、特に、大人向けの小説を書く作家では、多数派かもしれない。ぼくはちがう。大人の自分が小学生や中学生に向けて書くのだから、書き方は考えなくちゃいけないと思うし、読者の期待にも、ぜひこたえたいとも思う。
石崎先生の本は何冊か読んだことあるんですが、なるほどなぁと。
この本でも「読者のことを考える」というような記述がよく出てきてたんですが、
あとがきを読んでなんか色々腑に落ちました。
小中学生向けの本ではあるのですが、
小説指南書の類いのなかでは非常にわかりやすくて実践的だと思いました。
小説の書き方、みたいな本を読みまくってた時期があるんですが、
抽象的だったり精神論だったりであまり身にならないものも多かったので。
あと、この本読んだあとに、楽しく楽しい小説を書きたい気分にもなったのが、
すごくよかったです。読んだあとに書きたくなくなる種類の指南書も多いのですよ。
そんなこんなで、オススメの一冊です。