プロットとキャラ設定を公開してみる
カクヨムで公開してる、「クロスオーバー×モラトリアム」。
私にしては珍しく、長編小説の無料公開なのですね。
せっかくなので何かできないかなと思ったので、
1章冒頭部分のプロットとキャラ設定を原文ママで公開してみようかなと思います。
今作、以前もブログで紹介しましたが、時間軸が並行しています。
なのでプロットでも、どのシーンが「何日目」なのかを明記してあります。
1章のプロットは全体では1,600文字、完成字数は20,000字強。
これを全5章分作ってある感じです。
そんなわけで、ここから下、全部プロットです。
細かい部分は書いているうちに変わったりしてるかとは思いますが、
展開は最後までちゃんと決めています。台詞は「こんなようなこと言わせる」くらい
のイメージなので、実際の作品とは異なりますかね。
盛大にネタバレ含みますので未読の方は注意ですが、
よかったら本文と比べてみてください。
※プロット中のアルファベットは、各キャラクターの略です。
A:湊いろは、B:大久保悟、C:穴川泉美、D:小倉真澄、α:レイ
-------キャラ設定----------------
A:湊いろは(29)
154cm、AB型、9/8生まれ、私
絵を描きたいけど描けないフリーター。
絵を描きたいと思い立ち、一年前にSEをしていた会社を退職。
貯蓄と親からの仕送りで暮らす。
学生時代のあだ名は「ほへと」
◆性格
根暗。人と接することは嫌いじゃないが多人数は苦手。
一人でいることが苦にならない。
集中力はあるが、発揮するまでに時間がかかる。
食事の準備は嫌いじゃない。
一人でいるのが好きなのかと思いきや人懐っこい一面もあり、
CやDを~ミンとあだ名で馴れ馴れしく読んだりもする。
バリバリ働いていた反動で、思いっきり曜日感覚のない生活を送っている。
これから自分はどうするんだろうと他人事のように考えている。
ムーミンが好きで、ムーミン谷の住人になりたいと思っている。
◆外見
野暮ったい。前髪が長く、Dにいつも切ればと言われている。
肩まで伸びた髪(Dにクーポンを渡され、二ヶ月前に切ったばかり)。
垂れ目で童顔。丸顔。パンダみたいだと人に言われる。
◆絵
絵が描きたくて仕事を辞めたはずなのに描けないでいる。
何かを描きたい、形にしたいという衝動ばかりが積み重なっていく。
◆愛称
B>湊さん
C>いろはちゃん
D>いろは
◆生い立ち
中高は帰宅部。
大学では日本文学を専攻。美術サークルの幽霊会員。
IT系の企業でバリバリ働いていたが入社6年目で退社。
会社を辞めた年からハウスにいるので二年半いる。
◆家族
家族は両親としっかり者の弟の三人。
-------キャラ設定ここまで-------
-------プロットここから-------
○1日目
部屋の中に、見知らぬ男αがいた。
咄嗟に声を上げようとするが口を塞がれる。
――どうしてこんなことになったのか。
絵を描こうと思っていた。
誰かに習ったことはない。完全な独学。でも、描けると思っていた。
未完成のスケッチばかりが部屋に溜まっていく。
その日も、近所の多摩川に行ってぼうっとして、昼過ぎに帰宅した。鍵をかけた記憶がなかった。
口を塞ぐ男の腕は太い。縛られて転がされるだけならまだいい。強姦、殺人、そんな単語が頭を巡って青くなる。
「頼みがあるんだ。黙って聞いてくれる?」頷いた。
「この部屋に住まわせてほしいんだけど」
意味がわからなかった。「私を監禁なんかしたら、同居人が気づくよ」
「別に君は普通に生活しててくれていいよ。ただ、しばらくここに俺を泊めてほしいんだ」
「……意味がわからないんだけど」「これは俺が預かる。そしたら、君は警察に通報もできないだろ?」
αは机上にあったデジカメのメモリカードをいつの間にか抜いていた。
午後六時過ぎにまずCが帰ってきた。
「Aさん、夕飯はもう食べたんですか?」
頷く。今日は体調がよくないからもう部屋にこもるわと手を振る。
αは自己紹介して、よろしく、と笑んで我が物顔で私の座イスを占拠した。持ちこんだお茶とお菓子でテレビを見る。
「何が目的なの?」「まぁその……そのうちわかるよ」
その晩、αは座イスを倒してそこで眠った。「お前の部屋だからベッドを使う気はない」
○2日目
翌日、昨日と同じように多摩川に行った。αは家に残ってシャワーを浴びるという。
多摩川でいつものようにぼうっとするが、落ち着かない。早々にスーパーへ向かった。
買い物リストと千円札を持たされてしまった。なんでこんなことに。男性用のジャージを買う。
たくさん買い物をして帰宅すると、Cが家を出るところだった。αには遭遇しなかったようでほっとする。
買い物袋を覗かれて慌てて隠す。夕飯はいるかと訊かれてCは首を振る。
量をごまかすために、大鍋にカレーを作った。αは人の気など知らないで喜んでがっついた。
風呂上がりに、玄関の方でBとDが話しているのを聞く。
その日の晩、早々に寝たαのジャケットなどを漁ったが、SDメモリはなかった。
αに押し倒される。メモリカードはここだ、とαは首から下げているお守りを見せる。
「残念だったな」そう言って笑んだαに、口を塞がれた。
なんかもう、色々終わった、と思った。
-------プロットここまで-------